「人はなぜだまされるのか」の表題を見て、そのまま、なぜ人は騙されるのだろうと単純に疑問を持ち、この本を読み始めました。
副題の「進化心理学が解き明かす「心」の不思議」という通り、人間が進化してきた話の流れに沿って、いろいろな実験を自分自身で試しながら読み進めるので、とても興味深く、面白く読めました。
この本を読んでとても印象に残った言葉をご紹介致します。
「チンバンジーは、過去や将来をあれこれ思い悩んだりしない。希望もなければ、絶望もないだ。だからこそ、「今ここの世界」を精いっぱい生きられるのである。人類は、想像力を身につけ、法則を発見し、協力して働き、文明を築いたが、かわりにさまざまな苦悩も背負った。私たちは、ジャングルや草原に由来する心と、文明向きの心をともに身につけている。それらのはざまで揺れ動きながら、日々微妙な決断を続けているわけだ。」
そして、私がこの本を読んで思ったのが、人間が持っている能力で、有能なものもあれば、進化の過程で有能でないものもあり、特に真実や何が本当に必要かを、騙されずにしっかりと物事を、自分自身で判断していく必要があると思いました。