先日、コンピューター関係の書籍を読んでいたら、ちょっと興味深い内容のことが書かれていました!
内容は・・・アメリカン航空965便がマイアミからチリのカリ空港に向けて最終の着陸態勢に入りました・・・
遅れていたこの便は出来るだけ早く到着するために、当初の経路を変更して空港への最短距離のルートに変更することになりました。
ボーイング737型機はフライトマネージメントシステム(FMS)というコンピューターが飛行機の経路を制御していて、ルート変更をした場合はこのFMSへ経路変更をインプットしなければなりません。
副操縦士は次のウエイポイント(空路上の電波標識のことで、通常飛行機はこのウエイポイントを辿って飛行している)ROZOの頭文字「R」を入力し、ROZOを向かう指示をFMSに与えました。
ところが、データベースの変更によりこの「R」はROZOではなく、まったく別の方角にあるウエイポイントROMEOを意味していました。
飛行機はこの指示に忠実に従い、目の前の空港とはまったく異なる目的地に向かい左旋回を初め、その結果として山岳地帯に迷い込み最終的にはアンデス山脈の山肌に激突し多くの乗客が亡くなりました。・・・中略・・・
そしてこの書籍のコメント筆者(東北大学 高橋 信 氏)が語っていることは、普通の人間だったら、「その命令はおかしい。間違いではないか?」という疑問を持ち、再確認をするはずなのに、最先端システムはこういう「常識」をまったく持っていない。
現在のネットワークシステムに欠けているのは「賢さ」ではないでしょうか?と言っています。状況理解力、適応能力、予測能力、パターン認識能力。これらの「賢さ」を持ったシステム。
「R」を入力したパイロットに対して「ちょっとその入力はおかしいですよ」と気を利かして言えるシステムの実現はけっして夢でないと語っています。
これを読んで、私はいやに納得してうなずいてしまいました!人間は間違う動物で、その間違う人間が作ったコンピューターシステムは、やはりどこかに間違いが潜んでいるのではないかとも、私には思えました!
でも色々な知恵を結集すれば、私も、きっと「賢さ」を持ったシステムが実現すると思います!