先日、映画「秋刀魚の味」を観ました。昭和37年の映画で、私が4歳の時の映画です。風景が私の生まれ育ったところの近くで、工場の煙突など小さな時の記憶があり、映画を観ていて懐かしくなりました。
また、映画に出てくるお父さんが、私の今は亡き父に似ていて少しダブってしまい、お父さんをちょっと思い出しながら映画を観ていました。
私のお父さんも、映画にあるような工場に勤めていて、お酒が好きで、口数が少なく、優しい父で、父を思い出しながら観ていました。
映画で出てくる赤ちょうちんや、飲み屋の中の雰囲気や、家の様子、テレビから色々な小物も、当時の懐かしいものばかりでした。
「秋刀魚の味」の映画のストーリーで、お母さんがいないために、母代りの娘を不幸にしてはいけないと、お婿さん探しをしますが、いざ、娘が結婚すると、お父さんは寂しさの為にひとり、バーでお酒を飲むシーンがありました。
実は、私も娘が結婚してお嫁に行った時には、かなり寂しく、心に穴があいたような辛い思いを味わいました。朝起きれば、娘と他愛無い会話をし、仕事から帰って来て夕食を一緒に食べる時も他愛無い会話をしたりして、いつもいつも一緒に暮らしていました。
それが娘がお嫁に行って、突然、今までのことが、何一つなくなってしまって、今までとは変わった娘がいない生活にしばらくの間、力が抜けてしまったような状態が続きました。
心優しく、思いやりのある、私の自慢の娘です。映画「秋刀魚の味」の中の、お父さん、娘さんを、自分のものと重ね合わせて、この映画を観ていました。