脂質

脂質(バター、植物油、ベーコン、マヨネーズなどの主成分)

脂質主な供給源はサラダ油、バター、マーガリン、肉の脂身、ショートニング、ゴマなどですが、油は主に食品の加工に使われるため、天ぷら、フライ、揚げ菓子、クッキーなど目につきにくいところにも多量の油が含まれています。

食物からとる脂肪は、三大栄養素の中で単位あたりもっとも大きなエネルギー供給源である上に、脂溶性ビタミンの溶媒にもなるので、脂溶性ビタミンの摂取に大切な役割を果たしています。また、味覚上おいしさを加味する働きもあります。

脂肪は摂取しなくても、アミノ酸や糖質から体内で脂肪に転換されるので、余分なエネルギーは脂肪(中性脂肪)のかたちで体内の貯蔵エネルギーとしてためられています。

★脂質は特に「質」に気をつけてとりましょう!

動物性脂肪・・・バター、ラードなど。飽和脂肪酸を多く含み、多量に食べるといわゆる悪玉コレステロールが増え、心臓病や大腸がん、乳がんなどの発症率が高くなるといわれています。

植物性脂肪・・・大豆、紅花、オリーブ油、魚油(本来なら、動物性脂肪に分類されますが構造的には植物性脂肪と類似)など。不飽和脂肪酸を多く含み、これらを摂取すると、善玉コレステロールがふえ、心臓病などの原因になる動脈硬化の予防につながるといわれています。最近ではリノール酸をとりすぎると、アレルギーや一部のがんを誘発するとの指摘もあり、わざわざとる必要もないようです。

動脈硬化を防ぐために、P/S比(動物性脂肪と植物性脂肪および魚油の比)を1.0~2.0くらいにする必要があります。しかし、植物油あるいは魚油の方が体にいいからといって多くとりすぎると過酸化脂質を生成し、発癌の誘因になることがあるので、P/S比をむやみに上げることは最近は戒められています。

脂質の摂取量(1日量)

1日の総エネルギーの20~25%(1日50~70g)が適正量です。ただし、中年期以降、動脈硬化が懸念される場合には20%いかにおさえること。

★過剰摂取が続くとどうなるか?

◎エネルギー過剰のために肥満になり、肥満に伴う生活習慣病を合併しやすくなります。

◎悪玉コレステロールの摂取が多い場合には、動脈硬化の誘因になりますが、善 玉コレステロールと呼ばれている不飽和脂肪酸(植物油、魚油)のとりすぎでも、悪性新生物の誘因になる可能性があります。

★不足状態が続くとどうなるか?

◎脂肪自体は体内で作ることができるので、脂肪不足の状態は、よほどの栄養不足の状態でなければ生じませんが、脂肪を経口的に摂取しないと、脂溶性ビタミンの不足のため、骨粗鬆症、皮膚の乾燥、夜盲症、出血性素因の誘因になることがあります。

参考:山口大学保健管理センター
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~hoken/


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